【駐車場経営の必要経費】費用項目を徹底解説

駐車場経営

駐車場経営を成功させ、長期的に利益を上げ続けるためには、発生する経費を正確に把握し、適切に管理することが必要です。駐車場経営には設備の維持費や保険料、修繕費など様々な経費が発生しますが、これらの経費を正しく計上することで節税につながります。

本記事では、駐車場経営の各プロセスにおける経費について詳しく解説し、無駄を省き収益性を向上させる方法をご紹介いたします。経費の管理を徹底し、効率よく収益を上げ続けられる駐車場経営を目指しましょう。

正しく経費計上するメリット

経費を適切に計上することで、確定申告時の税額を抑えることができます。
駐車場収入にかかる税額は下記の計算で算出します。

駐車場収入-経費-特別控除※=課税対象の所得額
課税対象額×税率-控除額※=所得税額

※特別控除・控除について
特別控除や控除は確定申告時に適応する税負担の軽減で青色申告や白色申告の
申告方法により異なります。
これらを活用することによって課税所得が抑えられ、所得税の負担が軽減されます。
かかった経費によって課税対象の所得額が減少し、最終的な税額が軽減される仕組みです。

本記事では、駐車場経営にかかる費用を
駐車場を始める際の費用
駐車場経中に継続して発生する費用
駐車場経営終了時に発生する費用

の3つのプロセスに分けて解説します。

駐車場を始める際の費用

経費の対象は「その事業時に必要な費用のすべて」になります。

そのため駐車場経営を始める際にかかった費用も経費として計上することができます。

土地の整備費

整地に整備するための費用は初期費用として経費にできます。
もしも土地に家屋などの建物が建っていた場合、その解体費用も同様に経費に計上できます。

土地の整備費は舗装費用によっても異なってきます。
アスファルトでの舗装か、コンクリートでの舗装、もしくは砂利を敷いただけの未舗装など選択肢は様々ですが、たとえ未舗装であっても車が走れるようにある程度の舗装が必要になってきます。

不動産会社や管理会社に委託する場合、この舗装費用も負担してくれる場合もあるので、確認してみるといいでしょう。

土地の整備費、相場価格一覧

費用相場価格
残置物の撤去費用1~3万円
整地費用1,500円/㎡~
舗装費用アスファルト舗装 3,000円/㎡~
コンクリート舗装 5,000円/㎡~
ライン引き費用5,000円/月~
車止めブロック6,000円/台

看板の設置費

看板の設置費用を自己負担する場合、宣伝広告費として計上することができます。

ただし管理会社に委託している場合はこの費用が管理費に含まれている場合があるので経費に計上することはできません。
管理業者と結んだ契約書、または約款や規約などに記載されているはずですのでそちらをご確認ください。

設備費用

駐車場の運営形態(月極駐車場かコインパーキングか)によって変わりますが、防犯カメラや敷地の境界にフェンスなど、様々な設備を設置する必要があります。

特にコインパーキングではロック板やゲート、精算機などの導入を行う必要があるので月極駐車場と比べて設備費用が大きくかかります。委託する会社によってはこちらの費用も異なってくるので慎重に検討する必要があります。

駐車場経中に継続して発生する費用

駐車場を経営していくにあたって継続して発生する経費をできるだけ抑えたいものです。
この項目では駐車場を運営中、継続的にかかる経費がどのようなものなのかを解説いたします。

水道光熱費

常に電気を通し、管理している駐車場では光熱費が高額になる場合があります。
特に24時間点灯していなければならない場内照明や料金精算機、満空表示灯や防犯カメラなどがあるので、毎月の光熱費も経費に計上すべきです。

もし、駐車場内に簡易トイレや水道を設置している場合、水道費も光熱費として経費に計上することができるので、駐車場に水道を引いている場合は忘れずに計上しましょう。

管理費

駐車場経営は何かと手間がかかるものです。例えば精算機の中からの売り上げの回収やお釣りの補充、場内の清掃や巡回などの人の目を介しての管理が必要となってきます。こういった業務を管理事務所や不動産会社に管理を委託している際、管理費が発生します。

また管理を委託していないものの、管理人を雇っている場合は別途人件費がかかってきます。この管理費や人件費は毎月の経費として計上することが可能です。

保険料

駐車場経営をするにあたって、各種保険への加入は欠かせないものです。加入している火災保険、設備賠償責任保険、動産総合保険などの保険料を毎月支払いますが、それらを経費に計上することができます。

駐車場の設備で近隣敷地のフェンスを破壊してしまったり、駐車場の壁を利用者が傷つけてしまったりといったケースもありますので、万が一に備えて加入しておくとよいでしょう。

駐車場経営で入っておくべき保険の解説はこちら→

租税公

租税公課とは「租税」と「公課」を組み合わせた言葉です。

租税…国や地方に納める税金
公課…公共団体へ納めるお金(会費や罰金)

つまり、税金などの納めるお金全般のことを指します。

この租税公課には経費に計上できるものとできないものがあり、下記の内容であれば経費に計上することができます。

■固定資産税
・土地
駐車場として使用している土地に対して発生します。
土地の評価額をもとに税額が決定され、評価額は定期的に見直されます。

・建物
駐車場に管理室や料金収受設備などの建物がある場合、それらも固定資産税の対象となります。建物の評価額を基準に税額が計算されます。

ただし、簡易な設置物(例:パーキングブロックなど)は、固定資産税の対象として扱えないことが多いです。

■償却資産税
・駐車場機器
料金精算機や車両を管理するゲートシステムなどの機器を設置していた場合、償却資産として扱われます。
これらの資産は耐用年数に応じて評価され、その評価額に基づいて償却資産税が課されます。

・照明設備やフェンス
駐車場内にしている固定の照明設備や周囲のフェンスなどは償却資産に含まれる場合があります。

・その他の耐久性のある設置物
耐久性があり、事業のために設置した設備など(例:防犯カメラ)も該当する場合があります。

■都市計画税
・土地
駐車場として使用している土地が都市計画区域内にある場合、都市計画税が課されます。
固定資産税と同様に、土地の評価額をもとに税額が計算されます。
都市計画税は優遇が固定資産税とは異なり、上限が0.3%と定められています。

・建物
駐車場に建物(例:管理室や料金収受設備など)がある場合、その建物も都市計画税の対象となります。
駐車場が平面駐車場で、建物がない場合は土地のみが対象です。

■消費税
・駐車場利用料金
月極駐車場…月額料金に消費税を含めて請求する必要があります。
コインパーキング…駐車場を利用する際の利用料金に消費税が含まれています。

・設備購入に対する消費税
駐車場経営に必要な設備(精算機、ゲートシステム、照明設備など)を購入する際、に支払った消費税を仕入れ税額として申請すると控除される場合があります。

■個人事業税
法定業種に定められた業種で事業所得金額が290万円を超える個人事業主に対して発生します。事務所や事業所が所在している都道府県での申告が必要です。
駐車場経営は法定業種のうち第1種(37業種)に分類される「駐車場業」に該当する為、5%の税率がかかります。

■登録免許税
・土地購入時

土地を購入する際に登録免許税と登記する必要があるので司法書士手数料などの登記費用も発生します。

・土地の所有権移転時
土地の所有権が移転する際も発生し、所有権移転登記を司法書士に依頼する場合、別途司法書士手数料も発生します。
税率は2021年3月31日までに取得したものには1.5%が適応されます。
また税率は下記の様に計算します。

土地の所有権移転の登録免許税 = 固定資産税評価額 × 1.5%

■印紙税
・土地購入時
土地を購入した際の売買契約書に印紙を張り付ける必要があるため印紙税が発生します。
印紙税の金額は売買契約書に記載する土地の売買金額によって異なります。

逆に下記のような例では必要経費として認められません。

・法人税
法人の企業活動により得られる所得に対して課される税金です。
よって、事業運営に直接関わる経費に該当しない為、経費に計上できません。

・所得税
所得税は「個人の純利益にかかる税金」であり、事業活動のための直接的なコストではない為、経費として認められません。

・相続税
遺産で相続した土地をもとに駐車場を経営しても、その土地の相続税は経費に計上することができません。

設備のメンテナンス費・修繕費

ロック板や精算機のような常に使う設備は特に消耗が激しいので定期的なメンテナンスを行い、故障しないように注意を払う必要があります。簡単な電球の交換や看板の一部修繕などであれば専門知識不要で行えますが、精密機器のメンテナンスに関しては専門の業者を介した方が確実です。

またもしもメンテナンスで駐車場内の設備(フェンスや壁、機器類など)の破損が発覚した場合、修繕にかかった費用を計上することができます。

駐車場経営終了時に発生する費用

駐車場経営終了時、事業からの撤退に伴う費用が掛かります。
これらも駐車場経営の費用として計上することができます。

原状回復費用

通常、原状回復費用とは賃貸物件の退去時に発生する費用のことを指しますが、駐車場経営では駐車場として活用していた土地を駐車場にする前の状態に戻すことを指します。
舗装工事費や機器撤去費用、看板撤去費用などがこの原状回復費用に含まれます。
下記のような注意点がありますが、把握していないとトラブルの要因になりやすいたので契約締結時にしっかりと確認しておくとよいでしょう。

・原状回復費用は土地オーナーまたは駐車場会社が負担する必要が発生します。
・契約書に契約当初の原状が書いてあったとしてもその状況を原状回復費用を負担する側が証明できない場合、トラブルになるケースもあるので舗装工事前に写真や動画などで原状を修めておく必要があります。
・原状回復のガイドラインが無いため、駐車場会社と交渉しなければなりません。
・契約内容次第で、オーナー側が大きな負担をしなければならない可能性もあります。

契約者への対応費用

こちらは契約者が長期間利用する月極駐車場で発生する可能性のある費用です。
月極駐車場からの事業撤退時には契約者への説明と契約終了に関する書類の送付などといった手続きが必要になります。その際にかかった費用は経費として計上することができます。

書類の送付時に使用した切手代や連絡で使った電話代としての費用になるので通信費や雑費として経費計上することができます。

違約金

駐車場の利用者や管理会社と結んだ契約内容によっては違約金の支払いが発生することもあります。
この違約金も経費に計上することができます。
特に収益面での都合や管理会社の急な変更などのオーナー側の一方的な都合で、契約期間中に解約する場合違約金が発生すると考えたほうがいいでしょう。

違約金については管理会社側が有利になるように設定されている場合もあるので、契約する際に十分確認してください。

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