福岡県福岡市内の主要幹線道路沿いにある空き地が、コンビニエンスストアの出店用地として活用され、長期安定収入を生む資産となった事例です。
土地の売却を検討していたオーナーが、売らずに「貸す」という選択をしたことで、資産を残しつつ毎月の地代収入を確保することに成功しました。
本記事では、土地貸しによる商業施設誘致の流れと収益構造、注意点などを具体的に紹介します。
土地の概要と立地条件
所在地 福岡県福岡市東区(県道沿い、車通りの多い商業エリア)
土地の広さ 約300坪(約990平方メートル)
形状 整形地、角地で視認性良好
前面道路 県道に20m以上接道、車両進入可
周辺環境 住宅地・工場・学校が混在し、昼夜問わず人流あり
以前は空き地として放置されていましたが、草刈りや不法投棄対策に手間がかかっていたため、活用方法を模索していました。
実際にどう活用したのか?
大手コンビニチェーンの出店ニーズとマッチし、テナント誘致による土地貸し方式が採用されました。
1.土地オーナーが不動産仲介会社を通じてテナント企業とマッチング
2.テナント(コンビニ側)が建物を建設・営業を行う「事業用定期借地契約」を締結(契約期間20年)
3.賃貸料は毎月固定で支払われ、建物所有はテナント側
4.契約終了後は建物解体・更地返還の取り決めあり
オーナー側は初期投資ゼロで運用でき、土地の所有権を維持しながら安定的な収入を得られる仕組みが構築されました。
収益と運用の成果
契約内容 事業用定期借地契約(20年)
月額賃料 約30万円(年間360万円)
初期投資 ほぼゼロ(測量・契約書作成費などで数十万円)
維持コスト 固定資産税のみ(賃料収入で十分カバー)
想定利回り 表面利回り約12%相当
安定したテナントであることに加え、建物管理や運営リスクを持たないため、オーナーにとって非常に手堅い投資となっています。
メリット・デメリットと注意点
メリット
・建築コスト・運営リスクを負わずに収益化できる
・所有権を維持しながら安定収入が得られる
・返還後は他の活用方法へ柔軟に転用可能
デメリット
・賃料は固定のため、インフレ等による収益性変動に弱い
・契約期間中は用途転用が困難
・土地用途地域や交通量によりテナント誘致の可否が変わる
福岡市内では用途地域(商業系または近隣商業地域など)に準拠している必要があります。
また、接道条件・駐車場確保なども重要な評価項目です。
まとめ
商業施設への土地貸しは、建物を建てずに土地を貸すことで安定収益を得られる、手堅い土地活用のひとつです。
福岡市のような交通量が多い立地では、コンビニやドラッグストアなどの需要が高く、長期契約によるメリットが大きいといえます。
また、所有権を保持できるため、将来的な転用や売却の自由度も確保されます。
相手先選びや契約内容の確認を慎重に進めれば、売却よりも有利に資産を活かすことができるでしょう。