駐車場収入の【確定申告のやり方】必要書類と申告のポイント

駐車場経営

駐車場経営による収益が一定額を超えると、確定申告が必要になります。
適切に確定申告を行うことで、税務リスクを回避しつつ、最大限の節税効果が得られます。

確定申告では、所得区分によって申告方法や経費計上のルールが異なります。
青色申告と白色申告の違いにより、控除額や手続きの負担が変わるため、適切な申告方法を確認しましょう。

申告を怠ると、無申告加算税や延滞税が課される可能性があり、税務調査で追徴課税を受けるリスクも高まります。
この記事では、確定申告をスムーズに進められるよう、所得区分の考え方、経費計上のポイント、節税対策などを詳しく解説していきます。

確定申告が必要なケース

駐車場経営による収益が一定の基準を超えると、確定申告が必要になります。
申告が必要かどうかは、所得の種類や年間の所得額によって判断されます。

確定申告が必要になる条件

駐車場経営の所得(収入から経費を差し引いた金額)が一定額を超えると、確定申告が必要になります。

給与所得がある場合
給与以外の所得が年間20万円を超えると確定申告が必要。(会社員など)

給与所得がない場合
年間48万円を超える所得があると確定申告が必要。(専業で運営している場合など)

また、法人化して駐車場を運営している場合は、所得額に関係なく確定申告の義務があります。

確定申告の流れ

確定申告は、1年間の所得を計算し、適切な税額を申告・納税する重要な手続きです。
確定申告は、必要な書類の準備 → 申告書の作成 → 提出 → 納税の流れで進めます。
特に、青色申告の控除を活用する場合は、事前の申請や正確な記帳が必要になります。

確定申告時の必要書類

確定申告には、以下の書類を用意する必要があります。

収入に関する書類
・駐車場の利用者や管理会社からの収入明細書
・振込・入金記録(銀行の取引明細、領収書など)

経費に関する書類
・固定資産税の納付書
・修繕費や管理費の領収書(アスファルト補修、清掃、照明交換など)
・借入金の返済明細(利息のみ経費計上可)
・広告宣伝費の領収書(看板設置費、ウェブ広告費など)

申告書類
・確定申告書(AまたはB)
・青色申告決算書(青色申告の場合)
・収支内訳書(白色申告の場合)

引用元:国税庁 申告手続・用紙

申告書類を作成する

必要な書類をもとに、申告書を作成します。
この際、会計ソフトを活用すると、計算ミスを防ぎ、申告作業を効率化できます。

収入と経費を整理する
1.総収入額を算出(年間の駐車場収入を集計)
2.経費を計上(管理費、修繕費、税金、借入利息など)
3.所得を計算(総収入 - 経費 = 所得)

青色申告と白色申告の違い
・青色申告(65万円控除)を利用する場合、複式簿記で帳簿を作成し、決算書を添付する必要がある。
・白色申告の場合は、簡易的な収支内訳書を作成すればよい。

申告方法を選ぶ

確定申告は、以下の方法で提出できます。

e-Tax(電子申告)
・インターネット上で申告・送信できる
・還付金の振込が早い
・マイナンバーカードとICカードリーダーまたはスマホアプリが必要

紙の申告書を提出
・申告書を印刷し、税務署に持参または郵送
・郵送する場合は、提出期限必着で送る

申告期限を確認する

確定申告の提出期限は、毎年3月15日(土日祝日の場合は翌平日)まで。

青色申告承認申請の期限
青色申告を適用する場合、個人事業を開始した年の3月15日までに「青色申告承認申請書」を提出する必要がある。(新規開業の場合は開業から2か月以内)

消費税の申告
前々年の売上が1,000万円を超える場合は、消費税の申告が必要になります。

納税を行う

確定申告後、所得税の納税を行います。

納税方法
・銀行振込・ATM(納付書を使用)
・e-Taxを利用したネットバンキング納税
・口座振替(3月15日までに手続きが必要)
・コンビニ払い(QRコード決済対応)

延滞税に注意
納付期限(3月15日)を過ぎると、延滞税が発生するため、期日までに納税を完了させることが重要。

所得区分と適用される申告制度

駐車場経営による所得は、運営の形態や規模によって不動産所得・事業所得・雑所得のいずれかに分類されるため、適切に判断することが重要です。
この所得区分によって、適用される申告方法や経費計上のルールが異なります。

不動産所得

対象となるケース
・駐車場の土地や設備を貸し出し、利用料を受け取る場合
・アパートなどの付帯施設として駐車場を提供する場合

不動産所得は、賃貸収入と同様に扱われるため、事業所得とは異なり、個人事業税がかからないのが特徴です。
ただし、管理業務を委託するか、自己管理するかによって、経費の計上方法が変わります。

適用される申告方法

青色申告(65万円・55万円・10万円控除)
・複式簿記による帳簿管理が必要(10万円控除の場合は単式簿記)
・65万円の控除を受けるには貸し出し規模が一定以上であることが条件

白色申告
記帳の手間は少ないが、控除額はなし

事業所得

対象となるケース
・複数の駐車場を運営し、管理業務を自ら行っている場合
・駐車場の運営が事業的規模と判断される場合(例:20台以上の駐車スペースがある、スタッフを雇用している など)

事業所得に該当する場合、個人事業税(年間所得290万円以上で発生)がかかりますが、青色申告のメリットを活用することで節税が可能です。

適用される申告方法

青色申告(65万円・55万円・10万円控除)
・65万円控除を適用するには、複式簿記による帳簿管理を行い、適切に申告することが必要(10万円控除の場合は単式簿記)
・家族を専従者として給与を支払うことが可能
・赤字が発生した場合、最大3年間繰り越せる

白色申告
控除はないが、最低限の帳簿付けで済む

雑所得

対象となるケース
・個人所有の土地を事業的規模に満たない形で貸し出している場合
・短期間の運用であり、事業としての継続性が認められない場合

雑所得に分類されると、青色申告が適用されず、控除や赤字の繰越ができないため、節税の選択肢が限られます。
また、経費計上の範囲が限定されるため、事業所得や不動産所得と比較して納税負担が大きくなる可能性があります。

適用される申告方法

白色申告のみ(青色申告は不可)
・必要経費として認められる範囲が狭い
・他の所得との損益通算ができない

どの所得区分が適用されるのか

駐車場の運営形態によって、所得の分類は変わります。
規模や管理方法、継続性を考慮し、適切な所得区分を判断することが重要です。

特に、青色申告の控除を最大限に活用できる不動産所得や事業所得として申告することで、節税メリットを得られる可能性があります。

申告制度の選択によって、税負担や経費計上の自由度が大きく変わるため、最適な方法を検討しながら申告を進めることが求められます。

関連:【駐車場経営の雑所得】事業所得との違いや雑所得に該当する条件について

青色申告と白色申告の違い

確定申告には青色申告白色申告の2種類があり、それぞれ控除の有無や記帳方法が異なります。

駐車場経営の運営規模や所得区分に応じて、どちらを選択するかが税負担を左右する重要な要素となります。

青色申告

メリット
・最大65万円の控除が受けられる(要件を満たした場合)
・赤字の繰越・繰戻が可能(最大3年間繰越)
・家族への給与を経費として計上できる(専従者給与の適用)
・減価償却や貸倒引当金の計上が可能なため、節税効果を高められる

デメリット
・正確な帳簿管理が求められ、複式簿記の記帳が必要
・事前に税務署へ「青色申告承認申請書」を提出する必要がある

青色申告を選択すると、最大65万円の特別控除を受けることが可能ですが、そのためには複式簿記での帳簿管理が求められます。記帳には手間がかかりますが、会計ソフトを活用することでスムーズに対応できます。

また、赤字が発生した場合は翌年以降3年間繰り越すことができ、利益が出た年の税負担を軽減できます。

白色申告

メリット
・帳簿作成の負担が少ない(単式簿記でOK)
・青色申告のような事前申請が不要

デメリット
・控除が受けられない(青色申告のような特別控除なし)
・赤字の繰越ができない
・家族への給与を経費にできない

白色申告は、単式簿記で記帳ができるため、経理の負担が比較的少なくなります。しかし、青色申告のような特別控除がなく、節税の面でのメリットは少ないといえます。

また、2014年以降は白色申告でも帳簿の保存義務が課されるようになったため、記帳の手間が大きく軽減されるわけではありません。

青色、白色、どちらを選ぶべき?

長期的に駐車場経営を続ける場合や、控除や経費計上を活用して節税を最大化したい場合は、青色申告(65万円控除)が有利です。

一方で、記帳の手間を抑えたい場合や、比較的小規模な運営の場合は青色申告(10万円控除)白色申告の選択肢もあります。

青色申告(65万円控除)青色申告(55万円控除)青色申告(10万円控除)白色申告
控除額最大65万円最大55万円最大10万円なし
記帳方式複式簿記複式簿記単式簿記単式簿記
赤字の繰越3年間可能3年間可能3年間可能繰越できない
家族への給与経費として計上可能経費として計上可能経費として計上可能経費にできない(定額控除)
提出方法e-Tax(電子申告)必須書面提出可書面提出可書面提出可
事前申請必要必要必要不要
向いているケース事業規模が大きい、節税効果を活用したいe-Taxを利用せず控除を受けたい小規模経営で手間を減らしたい記帳の負担を減らしたい

青色申告の事前申請方法

青色申告を適用するためには、事前に税務署へ申請を行う必要があります
適用を受けるには、以下の手続きを期限内に済ませましょう。

提出する書類
青色申告承認申請書(個人事業者用)
・税務署の窓口で入手するか、国税庁のWebサイトからダウンロード可能
・事業の概要や所得の種類を記入

提出期限
新規開業の場合:開業日から 2か月以内
・既に事業を行っている場合適用を受ける年の3月15日まで
例)2025年分から青色申告を適用したい場合、2025年3月15日までに申請が必要です。

提出方法
税務署へ直接持参(控えに受付印をもらう)
郵送提出(控えが必要な場合は返信用封筒を同封)
e-Tax(電子申請)

申請後の注意点
・青色申告は一度承認されると翌年以降も継続適用されます。ただし、廃止する場合は「青色申告の取りやめ届出書」を提出する必要があります。
・65万円控除を適用する場合は、複式簿記での記帳e-Taxでの提出が必要。紙での提出では65万円控除を受けられません。

経費として計上できるもの

駐車場経営では、収入から適切な経費を差し引くことで、課税所得を抑え、税負担を軽減することができます。
以下の項目は確定申告の際に経費計上できるので、正しく管理しましょう。

①固定資産税・都市計画税
②設備投資・減価償却費
③管理費(維持・清掃・保守)
④広告宣伝費
⑤ 借入金の利息
⑥ 通信費・消耗品費
⑦ 車両費(事業用の場合)

関連:【駐車場経営の必要経費】費用項目を徹底解説

確定申告のよくある疑問と注意点

駐車場経営における確定申告では、適切な手続きを行わなかった場合、税務リスクが発生する可能性があります。
ここでは、よくある疑問や注意すべきポイントについて解説します。

確定申告をしなかった場合のペナルティは?

確定申告が必要な場合に申告をしないと、無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。

無申告加算税(申告期限を過ぎてしまった場合)
・税務署の指摘前に自主的に申告:本来の税額の5%
・税務署の指摘後に申告:本来の税額の10%~20%

延滞税(納税が遅れた場合)
申告期限の翌日から発生し、遅延期間に応じた税率(年率最大14.6%)が適用される。

副業扱いになる場合の税務リスクは?

会社員や公務員が駐車場経営を行う場合、勤務先の就業規則で副業が制限されている可能性があります。
確定申告を行うことで所得が明らかになり、住民税の納付方法によって勤務先に知られる可能性があります。

勤務先に知られにくくする方法
住民税の納付方法を「特別徴収(給与天引き)」ではなく、「普通徴収(自分で納付)」に変更することで、住民税から副業収入の存在が目立ちにくくなります。

税務調査が入る可能性とその対策は?

確定申告の内容に不明瞭な点がある場合、税務署が詳細な確認を行うことがあります。
特に、経費の計上が過大な場合や、所得の申告漏れがある場合は、税務調査の対象となる可能性が高まります。

税務調査を回避するポイント
・収入や経費の記録を正確に残す(領収書・請求書の保管)
・適用可能な経費のみを計上し、無理な節税を行わない
・売上の入金記録と確定申告の数字が一致しているか確認

駐車場経営の規模拡大時の税務戦略は?

駐車場経営を拡大し、複数の駐車場を運営する場合、税務戦略を見直すことで効率的な節税が可能になります。

検討すべきポイント
・事業規模が大きくなったら「事業所得」として申告を検討
・青色申告の最大65万円控除を活用し、節税効果を高める
法人化のタイミングを考慮する(一般的には年間所得が800万円以上になると、法人化による節税メリットが大きくなる)

まとめ

駐車場経営の確定申告は、適切に行うことで税務リスクを回避し、節税効果を最大限に活かせます。
所得区分や申告方法によって税負担が変わるため、状況に応じた最適な方法を選択することが重要です。

青色申告を活用すれば、最大65万円の控除や赤字の繰越控除などのメリットを受けられます。
経費の計上も適切に行い、固定資産税、管理費、広告宣伝費、借入金の利息など、計上可能な項目を漏れなく整理することが求められます。

副業として運営する場合は、住民税の納付方法に注意し、事業拡大時には法人化を検討することも有効です。
正確な申告を行い、安定した経営を維持していきましょう。

駐車場の経営は多くの利益をもたらす可能性がありますが、確定申告のプロセスは複雑に感じられるかもしれません。

正しい書類の準備と所得の適切な区分は、税務の効率化と節税に不可欠です。

こちらの記事では、駐車場オーナーが確定申告を行う際に必要な書類と所得の区分方法をわかりやすく解説します。

また、此方で記載している内容は特に一般的な内容となります。実際の申告に関しては専門家に話を聞くことを強くお勧めします。

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