都市部には、建物を建てるには狭すぎる、しかし放置しておくにはもったいない──そんな空き地が数多く存在します。
東京都新宿区で実際に行われたこの土地活用事例は、そうした “使いにくい土地” を活かすヒントになります。
本記事では、わずか2坪ほどの空き地に「自動販売機」を設置し、月々1万円以上の安定収入を得ている事例を紹介します。
初期投資ゼロ、管理負担も少ないこの方法は、土地活用初心者にも非常におすすめです。
土地の概要と立地条件
所在地 東京都新宿区某所(住宅と小規模オフィスが混在するエリア)
土地の広さ およそ2.5坪(約8.2平方メートル)
形状 細長い長方形。建物の建設は不可能。
周辺環境 通行人の多い生活道路沿い。学生・会社員・観光客の往来あり。
このように、建物を建てるには不向きな狭小地でも、立地が良ければ収益性のある活用が可能です。
活用に至るまでの経緯と選定理由
所有者は当初、月極駐車場やバイク駐輪場を検討していましたが、以下の点から断念していました。
・面積が狭く2台以上停められないこと、
・設備投資に費用がかかること
そこで候補に挙がったのが「自動販売機の設置」でした。
設置に際しては、飲料メーカー(大手清涼飲料会社)に依頼。
設置から運用、補充までメーカーが対応するフルサポート契約により、オーナー側の負担は清掃と点検のみとなりました。
設置後3ヶ月で周辺住民の利用も定着し、毎月約1.2万円の収入を安定して得られるようになりました。
収益と運用の成果
月間売上 平均1.2〜1.5万円(販売本数に応じた歩合制)
初期費用 ゼロ(設置・機器・施工すべてメーカー負担)
維持管理費 不要(電気代のみ自己負担、月500〜700円程度)
売上は立地や季節によって変動しますが、1年以上経過しても稼働は安定しており、特に夏場には収益が2万円近くまで上がることもあります。
メリット・デメリットと注意点
メリット
・初期投資が不要でリスクが非常に低い
・メーカー側が全面対応するため運用が簡単
・狭小地や変形地にも対応可能
デメリット
・利用頻度が低い立地では収益が見込めない
・電気契約が必要(商業用ブレーカー設置など)
・自販機の設置には道路占用や景観に関する条例の確認が必要(特に都心部)
この土地活用が向いている人
・狭小地や使い道が思いつかない土地をお持ちの方
・建設費用をかけずに土地を収益化したい方
・地域住民のニーズにマッチする立地をお持ちの方
まとめ
狭小地というと「何もできない」と思われがちですが、今回のように自動販売機という小規模な設備でも、立地と運用次第で安定した収入源になります。
特に都市部では歩行者の流れがあり、少しのスペースでも価値を生み出せる機会があります。
初期費用が不要で、維持管理の手間も少ない自動販売機設置は、空き地活用の入門として非常に現実的な選択肢です。
小さな一歩から、土地のポテンシャルを引き出してみてはいかがでしょうか。