土地活用で失敗するのはどんな場合?不労所得で安定した生活を

不動産

実家からの相続等で突然土地を取得しその扱いに困るというケースは、実は全国で存在しています。

空いている土地は活用を怠ると、資産を生むどころか固定資産税の徴収対象になってしまい、それだけでマイナスの存在になってしまいます。

しかし、いざ土地を使った商売を始めようとする場合も、色々なタイプの業態が存在している為、活用方法の選択を誤ると、リスクを背負うことになります。

今回の記事では土地利用のよくある失敗例をご紹介いたします!

土地利用に失敗する要件

自分の所有物として郊外や地方に広大な土地を獲得した場合、そのまま空き地として放置しておくだけでは固定資産税などの課税対象になるだけで、負の遺産になってしまします。

その土地で様々なサービスを展開して土地活用を試みると良いでしょう。

しかし、土地活用の方法の選択を間違えると、むしろ損失が生じてしまう場合があります。

では土地利用が失敗するのはどんな条件が重なったときなのか。

  • 初期費用が高すぎる
  • 電気代などのランニングコストとその高騰
  • メンテナンス費用が高すぎる
  • 周辺住民の需要とマッチしていない

このような問題が候補に挙げられます。

例えば、初期費用や毎月の管理費が高すぎた場合、一定額以上の利益を上げないとマイナスになってしまいます。

また、その土地に住んでいる方々の年齢層や、興味・関心のある分野からかけ離れていたとしても利益は見込めません。

最後は周辺住民の人数と需要です。

新しいサービスを開始するとして、通って来れる距離に何人が住んでいるのか、通って来れる距離に住んでいたとしても競合他社の顧客に含まれていては来客は見込めません。

利用者数見込みも活用方法を選択する前にきちんと見積もりを立てておく必要があります。

失敗例1:コインランドリー投資

コインランドリーは1995年度には9200店舗ほどだったのが、2019年には2倍以上の2万1500店舗に増加しています。

少し前にコインランドリー投資と称してコインランドリー経営が流行った時期があったことと相まって、このまま行くと、2025年には約30,000店舗を超えると予測されています。

コインランドリーの需要

かつてのコインランドリーのターゲット層は、家が狭くて洗濯機がおけない学生や一人暮らしの社会人がほとんどでした。

現在のコインランドリーの利用客の多くは共働き家庭と言われており、コインランドリーには大型の洗濯機があるため、子どものいる共働きの家庭が週末に1週間分の洗濯物をまとめて出すのに役立っています。

また、今のコインランドリーはスマホで洗濯機の空きや洗濯の進行状況などを確認できたり、家では洗濯が難しい洋服や布団などに対応した洗濯機があったり、シワなく乾燥までを行ってくれたりなどサービスの幅も多様化しており、利用客が増えています。

コインランドリー経営の収支

しかし、コインランドリーの数が増加し続けている結果、稼働率の低い店舗が現在大量発生しているのが現状です。

そのため、コインランドリーを経営する際には、コストと売上を考慮し、経営が存続しているのか吟味する必要があります。

コインランドリー経営の初期費用はいくらかかるのでしょうか?

土地を自分で所有している場合は、まずは上物代です。

コインランドリーの建物の建設費がかかります。費用は土地のサイズによりますが、上物を建設する期間もかかります。

その他にも、内装工事費機器購入費広告宣伝費などが必要になります。

機器購入費は大型洗濯機が1台35万円とすると、20台設置で洗濯機代だけでも700万円です。

そして、経営が始まると、月々か一週間単位で店舗の清掃やメンテナンスに人件費がかかります。

上記の諸費用は最初に経営者である土地所有者が全額負担することになります。

次に収益を見てみましょう。

客単価が一回につき約500円洗濯機台数営業時間稼働率を掛け合わせて月額売上を予測します。

ここで参考にすべき数字は、近隣住民の人口・年齢層・暮らし形態、それから他社のコインランドリーの設置場所です。

例えば地方の広大な土地をコインランドリーにしようとした場合、歩いて来れる距離に何人の人が住んでいるでしょうか?

ターゲットである『家が狭くて洗濯機のおけない方』『学生』『共働き家庭』が何件あるでしょうか?

おそらく上記のターゲットは地方の広大な土地周辺に多く住んでいるとは考えられません。

それから既存のコインランドリーがどこにあるのかも重要です。

地域住民に認知されたコインランドリーが近くにあった場合、その地域の人口が大幅に変わらない限りは収益増加は見込めないでしょう。

いくら設備が魅力的であっても、普段コインランドリーを利用していなかった人が、近くにできたからといって利用し始める可能性は低いです。

また、地方では大きな駐車場があるコインランドリーを好む人が多いです。

そのため、土地全面積分の大きな建物を建てるよりも、コインランドリーの面積は半分にして半分を駐車場にするというのも良い案かもしれません。

これらの問題を考慮した上で、本当に土地活用の選択肢としてコインランドリーが適切なのかどうかを検討し直してみてください。

失敗例2:アパート経営

2つ目の失敗例はアパート経営です。

アパート(マンション)経営といえば、月額固定で入ってくる不労所得の代表例です。

しかし土地の場所を選ばないと、先行投資だけで破綻してしまう可能性もあります。

アパートの需要

日本の人口は減少傾向にあります。そして核家族化が進み、晩婚化も進んでいるため、一人暮らしに適したワンルームの需要は増えてきていると言えます。

また、持ち家の率が低下し、賃貸で住む人も割合も増加傾向にあります。

アパートの経営で最も需要な要素となるのが立地条件です。駅や公園から近いなどの周辺環境が良いアパートは住みたい人が多いでしょう。

郊外や地方の場合には近くにコンビニがあるか、薬局があるか、車で行ける距離になにがあるのかも重要になります。

さらに、コロナ禍の影響で住みたい地域の需要が変わってきています。

いままでは主要駅に電車一本で出られるところの住宅の需要が高かったのですが、リモートワークが進んだ会社が多い現在、今後はどの地域の住宅の需要が高まるのか、予想が難しくなってきています。

アパート経営の収支

アパート経営の収支を見ていきましょう。

『マンション経営』という言葉を富豪の不労所得の代表として夢見ている方も多いと思いますが、今回は土地活用ということで、アパート経営にフォーカスします。

なぜかというと、マンション経営の多くはマンションが建っている状態で購入し、経営することがほとんどです。

上物を建てることから始まる土地活用はマンションの場合、何千万円・何億円もの先行投資からスタートすることになります。

そして、その先行投資に見合う家賃収入が回収できる保証はありません。

このことから、土地活用の初心者の状態からマンションを経営することはあまりにもリスクが高すぎます。

では、アパート経営の収支を見ていきましょう。

まずはアパートの建設費です。

建物代は都会・地方関係なく基本的には一律ですから、一例ですが、鉄筋コンクリート造で坪単価が約100万円程度。

例えば80坪の鉄筋コンクリートのアパートを建てた場合、建設費は6,000万円程度という計算になります。

それに加えて共用部分の光熱費、共用部分の定期的な清掃費賃貸管理会社での管理料、建物の修繕費火災保険料不動産会社への仲介費などの諸経費がかかります。

この先行投資はどのように回収するのでしょうか?

アパート経営の収益には、家賃敷金・礼金(敷金は退去時に返却)、駐車場代インターネット利用料などが挙げられます。

インターネット利用料はどこの土地も対して変わりませんから、変動するのは家賃と敷金・礼金の部分です。

それらは地価に左右されることとなります。

都内の家賃と駐車場代の現状

ここで都内の家賃と駐車場代の現状をご説明します。

23区内の場合、一人暮らしであっても1R、約20平米でも家賃10万円が普通です。

また、一生都内に住み続けるのであれば、車の免許も必要ないと選択する人もいます。

その理由としては、都内であれば交通の便が優れており、車がなくても移動に困らない上に、駐車場代や車の維持費が高すぎるからです。

一人暮らしの家賃10万円にプラスして、駐車場を契約すると、毎月2万~3万が上乗せされます。

つまり都心部で車を持って暮らすだけで毎月13万円の固定費がかかってしまうのです。

一方で少し郊外に出ると、神奈川県、埼玉県であっても、3LDKが家賃6万円なんてこともあります。

本当に都内、23区内は地価の上がりようが異常レベルなのです。

また、都内を車で移動する際に駐車場を利用すると一等地の場合は1時間2,400円なんてところもあります。

10分単位で区切っているところも多く、長時間の駐車はとてもできないでしょう。

一方で東京から少し離れた北関東では広大な駐車場が4時間100円。営業時間外ならば何時間でも無料という駐車場がざらにあります。

東京から遊びに来た人は驚くことでしょう。

アパート経営のリターン予測

土地活用を試みる方は、都内に住んでいて、地方に持っている土地を使わないから運用したいという方が多いと思います。

アパート経営で失敗しやすい原因の1つは、リターンを大きく予想しすぎて初期投資が回収できないパターンです。

地方の車移動必須のアパートが家賃10万円だったとしたら、誰も応募してきません。

上記記載の例のように建設費に6,000万円かけたとしましょう。

地方の場合、1R、1LDKの家賃は安いところで3万円、高いところでも6万円です。

3万円で設定したとして、6部屋のアパートで常に満室だと仮定すると、3万円×6部屋×12ヶ月=216万円/年。

6,000万円が回収できるのが約30年後。

家賃を6万円に設定したとしたら、半分の15年後です。

また、その地域の家賃相場よりも高めに設定してしまうと、入居率100%は難しいでしょう。

周辺地域の家賃相場を把握すること、スタートから建設費を高額に出しすぎるとリターンの回収にとても時間がかかるか、マイナスになる可能性があります。

土地活用方法を選択する上で重要な要素

上記の記事を読んでいただければ、土地の活用方法を選ぶ際に大事なことは

  • 周辺住民に需要がある
  • 初期費用、維持費を安くする
  • 利益率の把握

の3点であることがお分かりいただけたと思います。

これらの条件に当てはまる土地活用方法を選びましょう。

また、これらの土地活用の他にも、駐車場経営や、倉庫経営などの方法もあります。

駐車場の場合は建物を建築する必要がなく、倉庫の場合も上物にお金を掛ける必要がありません。

その他に必要な機器も少ないため、コインランドリーやアパートに比べると初期費用が格段に安いことがわかります。

また、清掃の頻度も室内よりは少なくてすむので、別途で人を雇ったり、頻繁にその土地まで通う必要がありません。

メンテナンス費がほとんどかからず、上物が必要ないので初期費用も安く、リスクの少ない投資方法と言えます。

上記のことを考慮した上で、効率的な土地活用を検討してみてください。

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